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笹幸恵
2014.3.7 16:54

薩摩の沈寿官窯

「嫌韓」と聞くと、私はいつも心がざわつく。

そして、ある人物を思い出す。

司馬遼太郎「故郷忘じがたく候」の主人公、

十四代沈寿官氏のことだ。

 

詳細は本書に譲るが、16世紀末、朝鮮の役で

薩摩に連れてこられた人々が陶器を焼いて生業とし、

薩摩藩がそれを保護したことで継承され、

彼らの作品は「薩摩焼」として知られるようになった。

中でも沈寿官窯は由緒ある窯の一つである。

 

私はひょんなことから、一年ほど前に

沈寿官窯を訪れ、十四代にお会いする機会を得た。

幼少時代から苦労を重ね、十三代の跡を継ぎ、

「黒薩摩」のうちの特別な“御前黒”の作品を

復活させた人物である。

すでに十五代に家業を譲っているが、

眼光は鋭く、細かなところまで

見透かされているような気がした。

それなのに柔和な表情で、どこか人懐こい。

いま思い出しても胸がドキドキするような

魅力的な人だ。

 

十四代は、今の朴大統領のお父さんが

大統領だった頃に、韓国を初めて訪れた。

ソウル大学でこう講演した。

 

「いまの韓国の若者は、誰もが

36年間の日本の圧制を語る。

もっともだが、言い過ぎるとなると、

そのときの心情はすでに後ろむきである。

あたらしい国家は前へと進まなくては

ならないというのに」

 

そしてこう付けくわえた。

 

「あなた方が36年をいうなら

私は370年をいわねばならない」

 

いうまでもなく、薩摩に無理やり

連れてこられた先祖代々の歳月である。

 

だから韓国に謝罪せよと言いたいのではない。

日本に来て良かったではないかと言うつもりも毛頭ない。

人には抗うことのできない宿命みたいなものがあって、

過去を嘆くことよりも、もっと大事なことがあると

このエピソードは教えてくれる。

宿命を受け入れる強さと言ったら良いだろうか。

 

 

日本と韓国が隣国であること、これは

変えようがない。

初期の頃の道場で、呉善花さんが

教えてくれたように、隣国であっても

考え方や物事の捉え方は全く異なる。

現在の付け口外交にも腹が立つ。

慰安婦像を勝手に建立するにいたっては

開いた口がふさがらない。

ケシカラン。

 

だけども、だ。

隣国をケシカランと言っているだけで

いいのだろうか。

 

ケシカランと言わなければ

いけないことは確かだけれども、

それで自分が正しいことをしていると思い、

思考が停止してはいないだろうか。

 

もっと悪いことに、今の「嫌韓」、

いや「憎韓」ブームは、

ケシカランということ自体が、

空虚な自己を満たす手段になって

いるように思えてならない。

これって、宿命を受け入れる強さからは、

程遠い。


テーマ
『憎韓・嫌中ブームの反知性主義を斬る!』


平成26年4月13日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
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『大崎駅』北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。


入場料は、お一人様1000円です。


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皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ



笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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